Luminous Tale.

過去よりも未来よりも「現在」を幸せに生きるために。今ここにある日常を輝かせるための“魔法”をお届け。旧「月光の狭間」。

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月組バウ公演「Bandito」観てきました

      2015/02/22

この記事の所要時間: 1229

2月初っ端から観劇に行って参りました怜香@Ray_mnzkです。1月の花組終わってしばらく行かないかと思いきやそんなことはない。私花組の次に好きなの月組なのですw
今日観た月組バウホール公演「Bandito」は、たまきさん(珠城りょうさん)の2度目のバウ主演作品。初主演だった2013年「月雲の皇子」は、当初バウのみの予定だったにも拘わらず、異例の東京公演が追加されたという大好評ぶり。いや本当月雲は神公演でした。あれほど心揺さぶられる公演はなかなかお目にかかれないと思う……大好きでした。

そんなたまきさん主演のバウ公演、共演メンバーも芝居上手が揃っていて見応えありそうな予感。その期待に応えるかのような素敵な舞台でしたよ!
というわけで今日はこの公演の感想をお伝えします。ネタバレ大いに含みますのでお気を付けくださいませ。

 

目次

 ・「Bandito」物語紹介
 ・流石すぎる……やはりたまきさんは凄かった!
 ・謎めいた存在・としさんの「陰の魅力」
 ・月組でもやはりきた!素晴らしき95期無双!
 ・個性豊かすぎる多彩なメンバーたち
 ・フィナーレが豪華!豪華!
 ・お芝居好きには是非とも観てほしい!
 ・今日のあとがき
 
 

「Bandito」物語紹介

「Bandito」は、義賊サルヴァトーレ・ジュリアーノの物語。マフィア蔓延る第二次大戦後のシチリアが舞台です。
主演のたまきさんがジュリアーノ、2番手はとしさん(宇月颯さん)で米国マフィアのヴィトー・ルーミア役。ヒロインはわかばちゃん(早乙女わかばさん)で修道女アマーリア。
他にメインメンバーとしてはマフィアのボス・ロッソ役のまんちゃん(貴千碧さん)、アメリカ人記者スターン役のからんちゃん(千海華蘭さん)、山賊仲間のロンバルド役まゆぽん(輝月ゆうまさん)・ビショッタ役あーさ(朝美絢さん)などなど。

シチリア社会に嫌気がさし島を出ようとするジュリアーノが、ひょんなことから山賊に祭り上げられ、実際に志願者も集まり、貴族の館ばかりを襲う義賊として名を馳せることとなる。とはいえジュリアーノ自身はシチリアを出たい願望を捨てず悩むも、周囲の手助けや励ましもあり最終的にはシチリア脱出に成功する……というお話。
ジュリアーノ視点で語ると今のような筋書きになりますが、ここでジュリアーノにある意味最も特殊な形でかかわるのがヴィトー。初めはマフィアの手先として敵対するものの、あることをきっかけに徐々にジュリアーノの味方についていきます。苦い過去を持ち心を閉ざしているように見える彼がジュリアーノに出会ったことで心境が変化していく、これもまたこの物語の見所といえるでしょう。

流石すぎる……やはりたまきさんは凄かった!

まずは何はなくとも、たまきさんがとにかく偉大でした。何がすごいって、たまきさんはまだ新人公演卒業したばかりだというのに、もう背中で語れる人なんです。身につけるのに多大な時間と経験そして実力を要するとされるこのスキル、芝居上手の証なんですが、たまきさんは研8を目前にしてもう身につけているのです。
たまきさんは入団当初から数々の抜擢を受けており、研2にして新公2番手、研3目前でバウ3番手(この時の2番手がとしさんでした)、そして研3なってすぐ新公主演など、誰よりも多くの難しくも貴重な経験を積んできているといえます。それらの経験を見事に血肉とし、実力に繋げてきたのがよく分かりました。
本当に存在感が凄いんですよね……。誰よりも大きく、たくましく、頼もしく感じる。地の底から湧き上がるような強いエネルギーを感じます。センターに立つべき人だという説得力。今までの公演を見ていて何度も思ったことではあるのですが、改めてそれを実感しました。

たまきさんのお芝居は、真面目・誠実。その特徴をよく活かした役だったなと思います。
山賊として荒っぽいことはやるものの、悪人らしさは欠片も感じない、確かに義賊。その真面目さ故に思い悩む姿もまた格好良く(周りのメンバーの好演も光りましたここは!)。シリアスものやったら本当に強いですねたまきさんは……最も個性が活かせるジャンルなんじゃないかなと思います。

謎めいた存在・としさんの「陰の魅力」

2番手役であるとしさん。マフィアということで敵役にして悪役という思い込みがありましたが、意外にもそうではなかった。2幕で変わりますこの人。いやーやられましたね。

シチリアに逃れてきたアメリカンマフィアのヴィトーは、シチリアマフィアのボス・ロッソの部下として仕えています。……が、その口ぶりはロッソのことをまるで上司として見ていないかのよう。ただのマフィアではない、そんな謎めいたものを持っています。
なにせ言葉に殆ど抑揚がなく、心を凍らせていることがよくわかる。どんな時でも一切感情を見せないので、不気味ささえ感じられるのです。

ジュリアーノとの最初の出会いは、まだジュリアーノが山賊になる前、濡れ衣で捕まりかけて騒動を起こした時。形勢逆転したジュリアーノを再び窮地に陥れるために現れます(いつの間にかしれっと現れるからビビったw)。この時ジュリアーノとは視線がかち合うだけで火花が散っていた、敵対心むき出しですね。
そして二度目、今度は義賊となったジュリアーノに単独接触。ここでも少し言葉を交わすや否やお互いナイフを取り出して戦い始める……という敵対ぶりなのですが、後から思えばここが彼の転換点だったと思われます。
ちなみに私この戦闘シーンが大好きでして……普通に会話していた二人がゆっくりとバタフライナイフを取り出し戦闘態勢に入る、その時の空気と二人のオーラの変化がたまらない。すぅっと二人を包む空間が冷える、あの感覚ゾクゾクします。立ち回りというのはよいものですね。戦闘中の駆け引きも緊迫感あって大好きです。

そんな感じで1幕ではジュリアーノと敵対していたヴィトーですが、2幕に入ると様子が変わります。
頻繁にジュリアーノの前に現れるようになるのですが、敵対心は見せず、むしろ大事なことを言ってみたり、手助けをしてあげていたり。無言でいることが多いのですが、口を開けばジュリアーノが必要としている言葉を告げるし、本来自分がやらなくてもいいはずのことまで黙ってしてあげている。
……この変化は、何なんだろう?
私が思ったのは、やはり1幕でのジュリアーノとの戦闘がきっかけではないかなということです。
2幕の途中で語られるヴィトーの過去、この時ばかりは感情を露わにしています。その時の様子から、ジュリアーノは過去の自分に重なる存在に見えたんじゃないかな、と考え付きました。だから放っておけなかったのか、自分と同じようになってほしくなかったのか、それはわかりませんが……
ともあれ、最終的にジュリアーノがシチリア脱出に成功したのも、ヴィトーの密かな計らいがあってこそ。取り残されたアマーリアに会いに行く場面で、彼の凍てついた心もほんの少しは溶けたのかな、という印象を受けました。

恐らくヴィトーはこの作品において最も考察し甲斐のある役でしょう。しばらく彼の考察ばかりすることになりそうですw

月組でもやはりきた!素晴らしき95期無双!

話変わって、まゆぽんとあーさのお話。
二人はともに95期。既に3人のトップ娘役を輩出し、各組で新公主演者を出すほどの実力者揃いの期です。トップを目される男役さんも多く、人気も実力もトップクラスの期と言えるでしょう。

二人は今回揃ってジュリアーノの山賊仲間。その中でも特にジュリアーノと付き合いが長く、親密な立場です。
そのおかげでほぼ常にたまきさん・まゆぽん・あーさは一緒にいるのですが、月組若手スターの中でも筆頭格のこの三人が揃うと安定感がすごい。存在しているだけで見ごたえがあるのです。
真面目で思い悩むことも多いジュリアーノを、明るく軽いノリで励まし支えてあげるロンバルドとビショッタの姿は、月組を代表するスターになりつつあるたまきさんを傍近くで支えようとするまゆぽんとあーさの姿に重なりました。

ロンバルドは特にジュリアーノとは親しく、無二の親友ともいえる間柄。そのため誰よりもジュリアーノと行動を共にしています。逃亡するときも一緒にバイクに乗ったり、思いつめたジュリアーノを軽妙かつ暖かく励ましたり……。特に1幕はロンバルドこそジュリアーノの相手役なのではないかと思うほどでした。
まゆぽんはたまきさんに勝るとも劣らぬお芝居の名手。互いに長身であり、舞台映えも申し分ない。そんな二人はとても相性がよいようで、二人で並ぶ姿はこれでもかというほどしっくりきていました。本当によいコンビです。
(ちなみに今回のまゆぽんは珍しくヒゲなしでした……この人はどういうわけか入団当初からヒゲ役のオンパレードなのですww)

一方のビショッタはといえば、同じくノリは軽いものの、少々おバカな一面もあり、それが原因で大変な騒動を起こしてしまいます。ロンバルドに比べジュリアーノと共にいる時間は若干少ないですが、その分騒動を通してさらにジュリアーノとの絆を深める姿が描かれます。
若さ溢れるイケメンさが魅力のあーさが、今回はヒゲをつけてちょっと渋めの格好よさ……と思ったらいつもの明るいノリ炸裂で見ていて楽しかったですね。貴族襲撃時の「宝石を出せ」と言う姿が本当にサマになっていて痛快でした!
騒動を起こしたことが発覚し泣いて謝る姿は、そっと背中を抱いて慰めてあげたくなりましたね……そんなところも魅力なんだなと思います。

まゆぽんもあーさも実力・魅力十分の二人。研7になる二人の活躍が楽しみです!

個性豊かすぎる多彩なメンバーたち

ヒロインのアマーリア役わかばちゃん。不遇の身でありながら芯の強さをしっかり持った修道女でした。わかばちゃんは自立して生きようとする強い女性が似合うなぁと。

強い女性といえば記者マリア役のさちかさん(白雪さち花さん)、アマーリアの継母マッダレーナ役のちゅーちゃん(咲希あかねさん)。共に91期。
とにかく強い、強烈なインパクトを持つ二人です。二人ともとことん強かで、この物語に登場する大半の男性キャラより強いだろうなと思わされます。格好いい!
この二人はともに同じたまきさん主演公演「月雲の皇子」にも出演しており、ここでも揃って素晴らしいお芝居を見せてくれたのでした。本当に二人ともすごいです……!

一方の男役さんたち。

マフィアのボス・ロッソ役のまんちゃん。ボスなんですが、どこか小物感が漂うのが愛しくなります(笑)ヴィトーが部下でありながら不遜な発言を繰り返すのも納得。
でもマフィアらしく強かに振舞います。……が、やっぱりボスなのに小物っぽいのがなんだか可愛い。ある意味癒しかもしれませんw

米国記者スターンのからんちゃん。可愛い顔してすごく芸達者な人です。
ちょっとしたストーリーテラーの役目も果たす役どころ。山賊でもマフィアでもない第三者の立場ながら、最も深くジュリアーノと関わり、ジュリアーノのシチリア逃亡にも手を貸します。
記者としてジュリアーノを利用したり、かと思ったら手助けしてあげたり。色々やってくれる人ですが、総じて温かみを感じる人物です。

平民上がりの貴族アントニオ役のるうさん(光月るうさん)。大変な野心家で、人の良さそうな顔して色々とあくどいことをやってくれます。
この物語には「悪役」と呼べる存在が何人かいるのですが、その中では最も明るく、しかしもっとも卑劣さを見せる悪役。影のない悪の恐ろしさを見せてくれました!

他にもまだまだ語れるほどいろいろな魅力をもったメンバーたちだったのですが、書ききれないのでやむなく割愛しますorz
メインメンバーだけでなく、最下級生に至るまで全員に見どころがあります。是非皆さんの目で確かめて頂きたいです……!

フィナーレが豪華!豪華!

バウ公演はお芝居が長かったりすると割愛されることもあるフィナーレ。
でも今回は、ふんだんにありました
というのも、こういう小劇場公演のフィナーレとしては珍しく4場面構成なのです。
たとえば先月の花組公演「風の次郎吉」のフィナーレは、

  1. 3番手が娘役全員と共に踊る
  2. 2番手が男役全員と共に踊る
  3. 主演とヒロインが踊る

という3場面構成でした。1場面目に関しては2番手と男役達が踊り、2場面目は主演と娘役達が踊る、という構成もよくありますね。

ですが、今回は違ったのです。

  1. としさん(2番手)筆頭に男役・娘役群舞→たまきさん登場(としさんと入れ替わり)
  2. 全員はけてたまきさんのソロダンス(→からの娘役達と踊っていたかな?)
  3. としさん登場、男役引き連れての群舞
  4. たまきさんとわかばちゃん登場、デュエットダンス

という構成でした。
この構成には少なからず驚きました。2場面目までは普通のフィナーレだなと思ったのですが、そこからとしさんが4人ほどの男役さんと共に出てきてびっくり。1場面目の途中からいないなと思っていたらそういうことだったのか!と。
このとしさんの場面がすごく良くて、本編では役柄一切笑うことのないとしさんが笑顔で踊っていて、よかったなーって思うのです。
というか、2番手役がこうやって主演登場後に改めて一場面やるのってバウ公演とかじゃ本当に見かけないのです……。いやはや、としさんすごい!

最後のたまきさんとわかばちゃんのデュエダン、二人とも白い衣装が映える!たまきさんは白がよく似合いますね。この二人は同期ということもあり、とても息の合ったデュエダンでした。
というかリフトが長い!見応え抜群。素敵でした!

ちなみにこのフィナーレ群舞でからんちゃんを見ていたら、可愛らしい表情の奥にふと影が見え隠れしているように感じて、少々滾るものを感じたのでした。可愛い顔して実は悪い奴、という人に弱いのです私。からんちゃん悪役やってくれないかなぁ……!

お芝居好きには是非とも観てほしい!

主演のたまきさんはじめ、本当に芝居上手揃いの大変見応えある公演でした。最下級生に至るまで全員に見せ場があるので、下級生ファンでも十二分に楽しめると思います。
何よりたまきさんの抜群の実力と安定感を、としさんの陰の魅力を、まゆぽんあーさという今を華やぐ95期コンビの活躍を、そして個性豊かなメンバーたちの熱演を、是非とも生で観て頂きたいです……!

そしてこの作品、考察好きの人にも大変楽しめると思います。きっとヴィトーについて考察したくなりますよ。お楽しみに。

今日のあとがき

すっかり長々と語ってしまいましたが、本当によき公演でした。観に行ってよかった!
というか見事にヴィトーにハマりまして、終演後からひっきりなしに彼について考察しています。まだ何もまとまっていませんけどね!(笑)
来週日曜もこの公演観劇予定です。バウ千秋楽前日(観るのは前々楽だけどね)、皆の進化したお芝居が楽しみです!

 - 宝塚

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